DIC川村記念美術館 ふたつのまどか展
2020年11月3日
千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館に初めて行きました。
DICとはあの化学メーカーのDICで、私にとっては社名変更前の大日本インキ化学工業の方がなじみがあります。また、川村とは、創業家の2代目である川村勝巳氏が収集したコレクションが核になっていることに由来します。
ちょうど開館30周年記念展として「ふたつのまどか展」が開かれていました。現代美術で活躍する5人の作家とコレクションを組み合わせた展示で、ゆったりとした展示室でじっくり見られました。
美術館は起伏のある土地に緑の木々に囲まれて建っています。散策路も用意されていて心地よい環境です。また、メーカーらしく隣の敷地にはDICの総合研究所がありました。
新型コロナの影響で送迎バスの運行が止まっているため、美術館へは地下鉄、JR、モノレール、コミュニティバスを乗り継ぎ、最寄りのバス停からは徒歩で1.5km余りという遠足のような行程になりました。
歩いたおかげで地理用語をひとつ憶えました。千葉県でも北部では台地と低地が組み合わさった下の写真のような地形をよく見ます。低地の部分は下総台地を刻む浸食谷に開かれた水田で、谷津田と呼ばれるそうです。
美の競演 静嘉堂の名宝
2020年10月28日
世田谷の静嘉堂文庫美術館で開かれていた「美の競演 静嘉堂の名宝」に行ってきました。
展示作品のうち今回の目玉とされる『曜変天目(稲葉天目)』は、その不思議な玉虫色の茶碗自体が名品であることに加え、徳川家光が春日野局に下賜し、その後、三菱財閥の岩崎家が入手したという来歴も名宝と呼ぶのにふさわしいものでしょう。
なお、琳派好きの私にとっての一番の名宝は、酒井抱一の『波図屏風』でした。
静嘉堂文庫美術館については、2022年に展示場所を丸の内の明治生命館に移すようです。これにより丸の内地区は出光美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリーとともに美術館の一大集積地を形成します。
世田谷の高台からの眺めは丸の内への移転後は見られなくなります。
和巧絶佳展 令和時代の超工芸
2020年10月16日
しばらく前のことになりますが、汐留のパナソニック汐留美術館で開かれていた「特別企画 和巧絶佳展 令和時代の超工芸」に行ってきました。
展覧会では、1970年以降生まれの12人の作家による陶芸や皮革、ガラス、螺鈿、金工など日本に伝わる工芸技術で現代を表現した作品が展示されていました。
また、アクリル絵具と透明樹脂を用いた作品や、アルミ鋳造による作品など、伝統にとらわれない制作方法の作品も見られ、美術品としての現代工芸を理解する上でとても良い機会でした。