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もうひとつの江戸絵画 大津絵

2020年11月4日

 東京ステーションギャラリーで開かれている『もうひとつの江戸絵画 大津絵』展に行ってきました。
 大津絵とは、江戸時代の初期から東海道大津宿周辺で量産された土産物で、これまでは歴史資料、民俗資料として取り扱われてきたそうです。
 近代に入ると大津絵に美を見出した画家や収集家がこぞって収集をし、今回の企画ではこうして収集され、旧蔵歴が明らかな名品が展示されていました。中にはあの民藝運動の柳宗悦が集めた52点も含まれています。
 初めて見た大津絵はそれほど多くない画題でいろいろなバージョンがあってその違いを楽しめました。また、素朴な表現に思わず頬がゆるむ作品もあり、多くの人に愛された理由がわかる気がします。
 現在の大津には私どもの大津事務所があります。
大津絵
 見終えたあとはいつものとおり、東京駅を行き交う人を眺めます。
東京駅

DIC川村記念美術館 ふたつのまどか展

2020年11月3日

 千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館に初めて行きました。
 DICとはあの化学メーカーのDICで、私にとっては社名変更前の大日本インキ化学工業の方がなじみがあります。また、川村とは、創業家の2代目である川村勝巳氏が収集したコレクションが核になっていることに由来します。
 ちょうど開館30周年記念展として「ふたつのまどか展」が開かれていました。現代美術で活躍する5人の作家とコレクションを組み合わせた展示で、ゆったりとした展示室でじっくり見られました。
川村
 美術館は起伏のある土地に緑の木々に囲まれて建っています。散策路も用意されていて心地よい環境です。また、メーカーらしく隣の敷地にはDICの総合研究所がありました。
川村外観
 新型コロナの影響で送迎バスの運行が止まっているため、美術館へは地下鉄、JR、モノレール、コミュニティバスを乗り継ぎ、最寄りのバス停からは徒歩で1.5km余りという遠足のような行程になりました。
 歩いたおかげで地理用語をひとつ憶えました。千葉県でも北部では台地と低地が組み合わさった下の写真のような地形をよく見ます。低地の部分は下総台地を刻む浸食谷に開かれた水田で、谷津田と呼ばれるそうです。
千葉の田園

 
 

美の競演 静嘉堂の名宝

2020年10月28日

 世田谷の静嘉堂文庫美術館で開かれていた「美の競演 静嘉堂の名宝」に行ってきました。
 展示作品のうち今回の目玉とされる『曜変天目(稲葉天目)』は、その不思議な玉虫色の茶碗自体が名品であることに加え、徳川家光が春日野局に下賜し、その後、三菱財閥の岩崎家が入手したという来歴も名宝と呼ぶのにふさわしいものでしょう。
 なお、琳派好きの私にとっての一番の名宝は、酒井抱一の『波図屏風』でした。
 静嘉堂文庫美術館については、2022年に展示場所を丸の内の明治生命館に移すようです。これにより丸の内地区は出光美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリーとともに美術館の一大集積地を形成します。
静嘉堂文庫
 世田谷の高台からの眺めは丸の内への移転後は見られなくなります。
静嘉堂文庫外

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