返済猶予制度(モラトリアム)その4
2009年11月6日
その2で宿題にした信用保証制度の充実についてです。
今回の返済猶予制度に関連する信用保証制度の充実の概要は次の通りです。
対象者 : 公的融資、保証協会の保証のいずれも受けていない、いわゆるプロパー融資のみ
の中小企業。
保証割合 : 残債務から金融機関自身による引当分相当を除いた分を折半するという責任
共有の考え方を採用。
保証期間 : 3年が上限(条件変更の内容等に応じ柔軟に対応)。
対象がプロパー融資のみの企業に絞られることは全く想定していませんでした。この結果、実際に対象となる企業の割合は非常に少ないと思われます。
該当しない多くの企業はこの保証制度が使えず、既存の金融機関・保証協会との関係や既存の借入の枠組みの中で条件変更を進めることになります。
返済猶予制度(モラトリアム)その3
2009年11月3日
返済猶予制度(モラトリアム)についての動きです。
政府は10月30日、中小企業向けの融資や個人の住宅ローンの返済猶予などに関して中小企業金融円滑化法案(「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(案)」)を閣議決定しました。臨時国会で成立すれば年内の施行となるでしょう。
法案は、金融機関は、『中小企業者の事業についての改善又は再生の可能性その他の状況を勘案しつつ(法案より引用)』貸付条件の変更等の措置をとる、としています。
このことは、返済猶予を受けられる企業とそうでない企業の線引きがよりはっきりすることを意味するように思えます。これまでは、現象として『弁済に支障』を生じた企業、というひとくくりだったものが、今後は、事業の改善や再生の可能性の点で二つに分けられます。
各金融機関は、法案や検査マニュアルにそった自己の基準を設けて企業の申し込みに対応するでしょうから、改善や再生が見込めない企業や、仮にあってもそれを説明できない企業は基準からはずれてしまいます。
申し込みを検討する企業は、数字(財務)でもって改善や再生の可能性を伝えることはもちろんですが、技術力、商品力、ビジネスモデルの優位性などの特長をアピールすることが近道です。金融機関にとっても、取引先企業の財務諸表に現れない強みを見つける努力が必要になります。
八ッ場ダムの橋梁工事
2009年10月22日
八ッ場ダムの建設現場の近くを通る機会がありました。
ダムの堰堤がまだ姿を見せていない中、目下のところダムの象徴となっているのは、高くそびえる橋脚でしょう。よく報道の場面で映し出されるT字型が並んでいる物体です。
家に戻って工法を調べました。いくつかある橋の工法のなかで話題の橋はカンチレバー工法と呼ばれるものでした。始めにI字型の橋脚をつくり、その後左右均等にT字型に延ばして橋脚間をつなぐ方法で、長いスパンの橋梁を経済的に作るのに適しているそうです。国内にはカンチレバー技術研究会というゼネコンを会員とする団体があり、技術の向上をはかっていることも知りました。
間近で見る橋脚は思った以上に高く巨大で、左右に大きく張り出した部分が印象的でした。土木技術の凄さを感じたひとときでした。