『ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860‐1900』
2014年4月25日
三菱一号館美術館で開かれている、『ザ・ビューティフル 英国の唯美主義』展に行きました。
ちょうど、2月のブログで報告したラファエル前派展をみた後なので、19世紀のイギリス絵画史を深く知る上で、とても良い機会になりました。
作品は素晴らしいものばかりでしたが、私にとっては、唯美主義の最終走者とも言えるオーブリー・ビアズリーの原画に出会えたことが幸福でした。
『野口哲哉の武者分類図鑑』に行きました
2014年4月18日
久しぶりに現代美術の展覧会に行きました。
練馬区立美術館で開かれていた野口哲哉氏の「野口哲哉の武者分類図鑑」です。
作品の主となるのは、写真にあるような甲冑の武者像ですが、細部にいたる考証と現代の感覚が見事に溶け合っています。
また、これらの作品すべてに物語があり、かつ、その物語は洒落っ気にあふれていて、作者の世界に引き込まれます。思わず笑みがこぼれるのもこの展覧会の特徴でしょう。
これから注目したい作者です。
壺の碑(つぼのいしぶみ)
2014年4月7日
宮城県の多賀城跡を訪ねました。
多賀城は仙台と塩釜の間に位置し、724年に大和朝廷の政庁が置かれたとされる地です。その後、律令政治の及ぶ範囲が北上し、802年に岩手県の胆沢城へ政庁が移るまで東北における律令政治の中心でした。胆沢城跡へは昨年の秋に訪れたので、時代をさかのぼる旅です。
小高い丘の南面に開けた政庁の遺構は、発掘をへて礎石と土塁が残るのみです。この多賀城跡の見どころの一つが壺の碑であり、今回訪ねた大きな理由です。
この壺の碑については、松尾芭蕉も「おくのほそ道」で、出会いの感動を次のように残しています。
「ここに至りて疑ひなき千歳の記念、今眼前に古人の心を閲す。行脚の一徳、存命の悦び、羈旅の労をわすれて、泪も落つるばかり也。」
碑の由来は割愛しますが、私は碑文にある「去靺鞨国界三千里(靺鞨国界ヲ去ル三千里)」の部分に当時の雄大な国際感覚を感じます。
靺鞨:中国の随唐地代に現在の中国東北地方とロシア沿海州にあった国