原三溪の美術 伝説の大コレクション
2019年9月1日
みなとみらいの横浜美術館で開かれていた「原三溪の芸術 伝説の大コレクション」展に行ってきました。
今回の展覧会は、横浜美術館開館30周年記念、原三溪生誕150年、没後80年記念ということもあって大規模なものです。
原三溪は明治初年に岐阜で生まれ、横浜において生糸貿易などで財をなした実業家であり、古美術のコレクターとして蒐集した名品は数知れないそうです。その後、各地の美術館や博物館の所蔵となった旧蔵品がこの展覧会で里帰りし、まとめて見られる貴重な機会でした。
展示では、原三溪を「コレクター」、「茶人」、「アーティスト」、「パトロン」の側面でとらえ、また、購入した美術品の自筆の目録や、出版しようとして成しえなかったコレクションの図録の草稿などの関連資料も展示されていて、業績の大きさを感じさせてくれました。
3年前に三渓園を訪れていなければ今回の展覧会には行かなかったかもしれません。
メスキータ
2019年8月26日
東京駅のステーションギャラリーで開かれていた「メスキータ」展に行ってきました。
メスキータは19世紀末から20世紀前半に活躍をしたオランダの版画家・画家で、この展覧会で初めてその生涯を知り、その作品を見ました。あのだまし絵で知られるエッシャーはメスキータの教え子として多大な影響を受けたことも初めて知りました。
館内の略年譜には、1944年、その命がアウシュヴィッツで妻とともに閉じられてしまったとあり、このことは今後メスキータの作品を見る際に常に頭の中を占める事柄になると思います。
作品の世界に浸れる撮影スペースも用意されていました。
遊びの流儀-遊楽図の系譜
2019年8月14日
六本木のサントリー美術館で開かれている「遊びの流儀-遊楽図の系譜」展に行きました。
テーマは遊びです。日本美術史における「遊び」に着目し、野外での遊楽や都市における風俗を描いた数多くの作品が集められています。
その中心となるのは江戸時代の屏風や絵巻物で、細密に描かれた舞踊や双六、カルタに興じるひとびとの姿は見ていて飽きません。また当時使われていたカルタも展示されていて、その装飾性は遊びへのこだわりを感じます。
速水御舟展
2019年8月10日
広尾の山種美術館で開かれていた「生誕125年記念 速水御舟」展に行きました。山種美術館での速水御舟展は2年半ぶりです。
代表作の『炎舞』や『名樹散椿』をはじめとする当館が所蔵する速水御舟の作品をまとめて見ることができる貴重な展覧会です。
初期の徹底した写実画や、後年の琳派の影響を感じさせる装飾画のいずれも素晴らしいものです。
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道
2019年8月4日
六本木の国立新美術館で開かれていた「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展に行きました。
ウィーンミュージアムの改装に伴い、その貴重な所蔵品が約400点来日しました。
展示は、18世紀半ばから第一次大戦前までのウィーンの近代化に光をあて、同時代の絵画、建築資料、工芸品、インテリア、ファッション、グラフィックデザインなど、幅広いジャンルの作品から成り、博物館的な要素を感じさせます。
展覧会名にあるクリムトやシーレの絵画を存分に楽しめたのに加え、当時のインテリアの優れたデザイン性に触れることができたのは貴重な機会でした。
今年は、東京都美術館のクリムト展とともにウィーンのあたり年です。