返済猶予制度(モラトリアム)その3
2009年11月3日
返済猶予制度(モラトリアム)についての動きです。
政府は10月30日、中小企業向けの融資や個人の住宅ローンの返済猶予などに関して中小企業金融円滑化法案(「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(案)」)を閣議決定しました。臨時国会で成立すれば年内の施行となるでしょう。
法案は、金融機関は、『中小企業者の事業についての改善又は再生の可能性その他の状況を勘案しつつ(法案より引用)』貸付条件の変更等の措置をとる、としています。
このことは、返済猶予を受けられる企業とそうでない企業の線引きがよりはっきりすることを意味するように思えます。これまでは、現象として『弁済に支障』を生じた企業、というひとくくりだったものが、今後は、事業の改善や再生の可能性の点で二つに分けられます。
各金融機関は、法案や検査マニュアルにそった自己の基準を設けて企業の申し込みに対応するでしょうから、改善や再生が見込めない企業や、仮にあってもそれを説明できない企業は基準からはずれてしまいます。
申し込みを検討する企業は、数字(財務)でもって改善や再生の可能性を伝えることはもちろんですが、技術力、商品力、ビジネスモデルの優位性などの特長をアピールすることが近道です。金融機関にとっても、取引先企業の財務諸表に現れない強みを見つける努力が必要になります。
八ッ場ダムの橋梁工事
2009年10月22日
八ッ場ダムの建設現場の近くを通る機会がありました。
ダムの堰堤がまだ姿を見せていない中、目下のところダムの象徴となっているのは、高くそびえる橋脚でしょう。よく報道の場面で映し出されるT字型が並んでいる物体です。
家に戻って工法を調べました。いくつかある橋の工法のなかで話題の橋はカンチレバー工法と呼ばれるものでした。始めにI字型の橋脚をつくり、その後左右均等にT字型に延ばして橋脚間をつなぐ方法で、長いスパンの橋梁を経済的に作るのに適しているそうです。国内にはカンチレバー技術研究会というゼネコンを会員とする団体があり、技術の向上をはかっていることも知りました。
間近で見る橋脚は思った以上に高く巨大で、左右に大きく張り出した部分が印象的でした。土木技術の凄さを感じたひとときでした。
返済猶予制度(モラトリアム)その2
2009年10月22日
返済猶予制度(モラトリアム)についての動きです。
金融庁は、20日関連する法案の概要を発表しました。(「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案(仮称)」)
法案は、金融機関に対して、できる限り条件変更等の措置をとるよう努力する義務、条件変更等を行う体制の整備、条件変更の実施状況等の開示を求める内容となっています。
注目は、法案の実効性を確保するために検査・監督上の措置として、条件変更等を行っても、不良債権に該当しない要件を従来に比べて拡充するよう、検査マニュアル、監督指針について所要の改定を行う点です。これまでは、条件変更により存続・再生可能な企業であっても条件変更に消極的だった金融機関が、条件変更に応じやすくなる可能性が高まります。
政府関係金融機関等についても、貸付条件の変更等に柔軟に対応できるよう努めることを要請する措置が設けられたことも、これらの金融機関等から借入のある企業にとっては選択の幅が広がるでしょう。
信用保証制度の充実については報道されていますが、別の機会に触れます。
返済猶予制度(モラトリアム)
2009年10月14日
政府が検討している返済猶予制度(モラトリアム)の骨格が固まり、制度設計の詳細の検討作業中です。猶予された借入には信用保証協会などを活用した政府保証を検討しているようです。
制度の是非は様々に議論されていますが、政府保証となると、当然ながら企業からの申請内容の妥当性が重視されます。妥当性のポイントは、猶予を受けた借入金を将来返済できる見込みがあるかどうかにかかってきます。多くの人が関心を持って動向を見ている中で、厳しい見方ですが貸倒れが予定されるものに保証はしないでしょう。
制度の利用を検討する場合には、現象面としての「返せない」状況を具体的にどのようなアクションで打開するのか経営者が自らの言葉で説明できるようにしておかなければなりません。特殊事情があればそれもアピールすべきでしょう。
利用を決めたら即座に行動を起こし、手元資金を少しでも多く確保することが将来の返済につながって行くものと考えます。
詳細がどのようになるか注目です。
ブログ事始め
2009年10月5日
こんにちは。 今日は、ひかり税理士法人 東京事務所の移転オープン日でありホームページのアップの日でもあります。これをきっかけに本日よりブログを始めます。
タイトルは、「金融機関取引に強い!理系税理士のブログ」です。
たまたま世の中はモラトリアムの話題や理系総理の誕生で、時流に乗ったかのようになりました。
このブログは、そうした「今」を追いながらも、変わらない価値も大切にして行きます。
どうぞ、リラックスしてお付き合いください。