唐三彩
2019年9月15日
丸の内の出光美術館で開かれていた「唐三彩-シルクロードの至宝」展に行ってきました。
当館が所蔵する唐三彩の中から、厳選された作品を一堂に見ることができるという解説どおり、いずれも色鮮やかでとても状態の良いものばかりで、シルクロードの至宝と呼ばれるのも納得できます。
唐三彩というと、高校の世界史で出会い、その後はさまざまな場面で見聞きする機会はありましたが、これほどまでの数を見ることはありませんでした。
また、唐三彩が、20世紀はじめの中国で鉄道敷設工事中に偶然発見されて以来、その存在が知られるようになったということもちょっとした驚きでした。
スペインの現代写実絵画~ホキ美術館
2019年9月8日
千葉市のホキ美術館で開かれていた「スペインの現代写実絵画」展に行ってきました。
2010年の開館以来、初めて海外の美術館の作品を紹介する企画で、2011年にバルセロナに開館し、現代の具象絵画を展示しているヨーロッパ近代美術館(MEAM)から来日した59人の作家による59点の作品が展示されていました。
ホキ美術館は写実絵画専門として知られていますが、当館の写実絵画とスペインにおける写実絵画と見比べることはとても興味深いものでした。
また、館内では、美術館の創設者で初代館長の保木将夫氏をお見かけすることができたのは幸運でした。
美術館は、館内からは想像のつかない不思議な造形の建物です。
原三溪の美術 伝説の大コレクション
2019年9月1日
みなとみらいの横浜美術館で開かれていた「原三溪の芸術 伝説の大コレクション」展に行ってきました。
今回の展覧会は、横浜美術館開館30周年記念、原三溪生誕150年、没後80年記念ということもあって大規模なものです。
原三溪は明治初年に岐阜で生まれ、横浜において生糸貿易などで財をなした実業家であり、古美術のコレクターとして蒐集した名品は数知れないそうです。その後、各地の美術館や博物館の所蔵となった旧蔵品がこの展覧会で里帰りし、まとめて見られる貴重な機会でした。
展示では、原三溪を「コレクター」、「茶人」、「アーティスト」、「パトロン」の側面でとらえ、また、購入した美術品の自筆の目録や、出版しようとして成しえなかったコレクションの図録の草稿などの関連資料も展示されていて、業績の大きさを感じさせてくれました。
3年前に三渓園を訪れていなければ今回の展覧会には行かなかったかもしれません。
メスキータ
2019年8月26日
東京駅のステーションギャラリーで開かれていた「メスキータ」展に行ってきました。
メスキータは19世紀末から20世紀前半に活躍をしたオランダの版画家・画家で、この展覧会で初めてその生涯を知り、その作品を見ました。あのだまし絵で知られるエッシャーはメスキータの教え子として多大な影響を受けたことも初めて知りました。
館内の略年譜には、1944年、その命がアウシュヴィッツで妻とともに閉じられてしまったとあり、このことは今後メスキータの作品を見る際に常に頭の中を占める事柄になると思います。
作品の世界に浸れる撮影スペースも用意されていました。
遊びの流儀-遊楽図の系譜
2019年8月14日
六本木のサントリー美術館で開かれている「遊びの流儀-遊楽図の系譜」展に行きました。
テーマは遊びです。日本美術史における「遊び」に着目し、野外での遊楽や都市における風俗を描いた数多くの作品が集められています。
その中心となるのは江戸時代の屏風や絵巻物で、細密に描かれた舞踊や双六、カルタに興じるひとびとの姿は見ていて飽きません。また当時使われていたカルタも展示されていて、その装飾性は遊びへのこだわりを感じます。