黄瀬戸 瀬戸黒 志野 織部-美濃の茶陶
2019年11月2日
六本木のサントリー美術館で開かれている「黄瀬戸 瀬戸黒 志野 織部-美濃の茶陶」展に行ってきました。
現在まで続く茶の湯が完成したとされるのは桃山時代です。その桃山時代に岐阜県の美濃で焼かれた茶陶「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」を集めた企画です。
本展の「美濃」にはエピソードがあります。昭和のはじめに「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」の陶片が美濃の古窯跡から発掘され、そのときまでは愛知県の瀬戸で焼かれたと考えられていたものが、実は美濃で焼かれていたことが明らかになったそうです。
これまでは、形がゆがんでいたり、絵が大雑把に見えたりで良さを理解できませんでしたが、今回の展覧会を機に、これらの良さが少しわかるようになりました。
郷土愛をくすぐってくれます。
岸田劉生展
2019年10月15日
東京駅の東京ステーションギャラリーで開かれている「没後90周年記念 岸田劉生展」に行きました。
岸田劉生の画業を初期から晩年までたどることができる回顧展で、肖像画、風景画、静物画の代表的な作品を数多く見ることができる貴重なものです。
それぞれの作品には、西洋絵画のいろいろな時代の影響を見ることができますが、その影響を超えて独自の画風を確立しているように見えます。
美術館を見終えた後はいつものとおり、東京駅を行き交う人を眺めます。
みんなのミュシャ
2019年10月1日
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開かれていた「みんなのミュシャ」展に行ってきました。ミュシャ展としては2年ぶりです。
今回のミュシャの作品は主にミュシャ財団が所蔵しているもので、8歳の時に描いたキリストの磔刑図などごくごく初期の作品から、その名を世に知らしめたポスターの数々までが素描や習作とともに展示されていました。
展覧会の解説では、ミュシャの作品を「線の魔術」と表現しており、まさに、人物を描く線、植物を描く線、装飾的なモチーフを描く線、文字を描く線がそのことを感じさせてくれました。
今回の展覧会は「ミュシャからマンガへ」がテーマで、ミュシャの作品とともに、ミュシャの没後、その影響を受けたとされるロックコンサートのポスターや日本のマンガなどの展示につながって行きます。
展示室の一部では作品の撮影ができました。
モダン・ウーマン展
2019年9月28日
上野の国立西洋美術館で開かれている「モダン・ウーマン展」に行ってきました。
先日ご紹介した「松方コレクション展」で展示されている作品が普段展示されているスペースを活かして、19世紀後半から20世紀初頭のフィンランド美術を彩った7人の女性芸術家たちの作品が展示されています。
展覧会では、フィンランド国立アテネウム美術館のコレクションから約90点の作品が来日しており、いずれも初めて知る芸術家の名、初めて見る作品ばかりです。そのうちの一人、ヘレン・シャルフベックはフィンランドにおいてはとくに有名な女性画家とのことです。
松方コレクション展
2019年9月22日
上野の国立西洋美術館で開かれている「松方コレクション展」に行ってきました。
美術館の開館60周年を記念した展覧会では、松方幸次郎が1920~30年代にヨーロッパで蒐集した当館所蔵の作品のほか、第二次世界大戦中に散逸した作品の一部も展示され、多くの人で賑わっています。
展示では、購入の協力者たちの存在や、モネから直接購入したエピソードなど、コレクションの成り立ち、その後の散逸、焼失、接収といった数奇な運命を知ることができます。
当館設立のきっかけが、第二次世界大戦でフランス政府に接収され、後に返還されたコレクションの展示のためであったことを改めて思い起こすとともに、そのコレクションを日本で身近に見ることができる幸せをかみしめました。