ゲルハルト・リヒター展
2022年9月15日
竹橋の東京国立近代美術館で開かれている「ゲルハルト・リヒター展」に行ってきました。
ドイツのドレスデン出身で、現代アートの巨匠として90歳になった今も制作活動を続けているゲルハルト・リヒターの60年の画業を振り返る展覧会です。
作品は、写真のイメージをキャンバスに描く「フォト・ペインティング」をはじめとして実に様々です。中には見る側が映り込む鏡面の作品もあります。また、つい昨年の作品で、紙にグラファイト(黒鉛)で描いたものが日記のように日付順に展示されているコーナーもありました。
会場はほとんどの作品が個人の利用目的で撮影が可能なため、観覧者があちこちで思い思いに撮影をしていました。もちろん、自分もその一人です。
リヒターについては、国立西洋美術館で『雲』という印象的な作品を見たばかりです。
また、今年は、同じ1932年生まれで現役で制作活動をしているフェルナンド・ボテロの展覧会も見ることができて、両方から高齢の画家の強い力を感じました。
近代美術館から大手町方面の眺めです。
ボストン美術館展 芸術×力
2022年9月4日
上野の東京都美術館で開かれている「ボストン美術館展 芸術×力」に行きました。
展覧会名の「芸術×力」とは、古今東西の権力者たちが力を示す手段の一つとして芸術に重要な役割を担わせていたという意味で、ボストン美術館のコレクションからテーマに沿った展示品が約60点来日しました。
会場では、西洋画の名画、中国の優れた水墨画、インドの色鮮やかな細密画などを同じ空間で見ることができます。
今回の目玉は日本から渡った絵巻で、平安時代に描かれたユーモアたっぷりの『吉備大臣入唐絵巻』と、鎌倉時代に描かれた戦いの描写が際立つ『平治物語絵巻 三条殿夜討巻』です。いずれも「日本にあれば国宝」と言われるものを間近で見ることで、これらの成立時期や来歴、画題と合わせてその貴重さがうかがい知ることができました。
パネルの絵は江戸時代の絵師、増山雪斎による孔雀図です。新型コロナで開催が2年延長されたおかげで、その間に色鮮やかに修復された後の姿を見ることができました。
生誕150年 板谷波山
2022年8月20日
丸の内の出光美術館で開かれている「生誕150年 板谷波山-時空を超えた新たなる陶芸の世界」展に行ってきました。
これまでも美術館や博物館で展示されている葆光彩磁(ほこうさいじ)という特徴のある作品を通して板谷波山の名前は知っていましたが、このたび、生誕150年を記念するこの回顧展において、その生涯で制作された多数の作品を見ることで、えもいわれぬ形や文様、色彩の美しさ、表現方法の多彩さなど、作者の多くのことを知ることができました。
当館の創設者である出光佐三との親交を物語る作品もあり、たとえば作品『天目茶碗 銘 命乞い』は、とても興味深いエピソードをまとっています。
当館が新型コロナのために通算で約2年間休館していたこともあり、2019年8月の「唐三彩」展以来、約3年ぶりに訪れました。皇居方面の眺望の良さは変わっていません。
自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
2022年8月11日
上野の国立西洋美術館で開かれている「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」に行きました。
今回の展覧会はリニューアルオープン記念として開かれたものです。本展では美術館の成り立ちが個人コレクションという点で西洋美術館と似ているというドイツ・エッセンにあるフォルクヴァング美術館から多数の作品が来日し、当館のコレクションの名品と一緒に展示されています。
展覧会名にあるフリードリヒやリヒターはいずれもドイツの画家ですが、特にドイツロマン主義を代表するフリードリヒの作品は国内で見ることが少なく、貴重な機会でした。
2020年10月のロンドン・ナショナル・ギャラリー展の直後から始まった約1年半のリニューアルでは、外観としては前庭が最も変化しました。開館当時の姿に戻すため、植栽の多くが取り払われ、また、見通しの良いフェンスに取り替えられたことで上野公園との一体感が強くなったように感じます。
光陰礼讃 ― モネからはじまる住友洋画コレクション
2022年8月4日
六本木の泉屋博古館東京で開かれていた「光陰礼讃 ― モネからはじまる住友洋画コレクション」に行きました。
泉屋博古館東京のリニューアルオープンを記念して、第1弾の「日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」に続く第2弾となる本展では、洋画のコレクションが展示されています。
今回は印象派のモネやルノワールから、明治・大正・昭和に活躍した日本画家たちの多彩な作品を見ることができます。
泉屋博古館東京へは、日比谷線の神谷町駅から緑道を通って行くことができます。暑い日でしたが木陰が続いていたおかげで涼しく感じました。