マティス 自由なフォルム
2024年5月2日
六本木の国立新美術館で開かれている「マティス 自由なフォルム」展に行きました。
昨夏に東京都美術館で開かれていた「マティス」展はパリのポンピドゥーセンターのコレクションが中心であったのに対し、今回の展覧会はマティスが後半生を過ごした南仏ニースのマティス美術館のコレクションが中心でした。
特に晩年の切り紙絵の展示が充実していて、単純に見えながらも深い印象を与えてくれる画家の「自由なフォルム」を感じることができました。
作品は意外に大きいと感じるものが多く、特に『花と果実』という作品は、タテ410cm×ヨコ870cmというとても大きなものですが、国立新美術館の展示室に自然に納まっていました。
印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵
2024年4月23日
上野の東京都美術館で開かれていた「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」に行きました。
展覧会概要によると、ウスター美術館はアメリカ東部マサチューセッツ州ウスター(ウースター)で1898年に開館し、開館当時から印象派の作品を積極的に収集してきたそうです。
今回の展覧会では、ほとんどが日本初公開というフランスの印象派の作品に加えて、アメリカの印象派の画家たちの作品も見ることができ、印象派の大西洋を越えた広がりを感じることができました。
マリー・ローランサン ― 時代をうつす眼
2024年4月12日
京橋のアーティゾン美術館で開かれていた「マリー・ローランサン ― 時代をうつす眼」展に行きました。
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで見た「マリー・ローランサンとモード」展から1年も経たないうちにマリー・ローランサンの企画展を見られるという機会はなかなか無いでしょう。
会場には国内外からマリー・ローランサンの名品と併せて同時代に活躍した画家たちの作品が展示されいていて、マリー・ローランサンが生きた時代と当時の美術界の様子がよく伝わってきます。
1年ぶりと言えばアーティゾン美術館を訪れるのも約1年ぶりです。当時は地上部分の建設が始まっていた隣の戸田ビルがもうオープン目前まで工事が進んでいました。
本ブログは第500号です。
激動の時代 幕末明治の絵師たち
2024年4月1日
だいぶ前のことになりますが、六本木のサントリー美術館で開かれていた「激動の時代 幕末明治の絵師たち」展に行きました。
幕末明治という西洋の情報が急速に入ってきた中で、絵師たちがそれを受容し作品に反映したことが感じられもの、また社会の変化を写し取ったものなど、大きな変化が当時の絵画に起きていたことがわかりました。
たとえば歌川国芳の大判錦絵も複数展示されていて、こうした時代の中での国芳という絵師をとらえ直すことができました。
本阿弥光悦の大宇宙
2024年3月23日
上野の東京国立博物館で開かれていた「本阿弥光悦の大宇宙」展に行きました。
本展では、戦国時代から江戸初期に生きた本阿弥光悦の手による書や作陶、光悦が制作にかかわった漆工品の優品が見られるとあって期待をして出かけました。
多彩なジャンルの展示品とその説明文を見るうちに、これまでの本阿弥光悦への理解がいかに浅かったかを思い知りました。また、日蓮法華宗に帰依していたことが制作活動に大きな影響を与えていたこともなかなか書物などでは知ることができなかったことです。
自分にとっての今回のハイライトは、能書家としても知られる光悦による『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』です、琳派の祖とも称される俵屋宗達の鶴の下絵に、あたかも鶴と一緒に舞うように流麗な文字が配置されていて実に印象的でした。