民藝の100年 柳宗悦没後60年記念展

民藝の100年 柳宗悦没後60年記念展

2022年2月24日

 竹橋の東京国立近代美術館で開かれていた「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」に行きました。
 現在ではあたりまえのように用いている民藝(民芸)という言葉は、実は「民衆的工芸」から生まれたということを本展で知りました。
 民藝のルーツとなったのは今から約100年前に柳宗悦河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動で、装飾性とは対極にあり、職人の手から生まれた日常の道具に美を見出し、その新しい美の価値観を唱え、その後現代まで続いてきた美意識や思想といわれています。
 さまざまな展示物を見ることができますが、民藝が影響を受けた朝鮮時代や19世紀のイギリスの展示品を見ると、海外からも大きな影響を受けていたことがよくわかりました。
民藝の100年
近代美術館から大手町方面

博物館に初もうで 今年はトーハク150周年! めでタイガー!!

2022年2月16日

 しばらく前のことですが、上野の東京国立博物館で開かれていた「博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー!!」に行きました。
 この企画は常設展の入館で見ることができ、寅年にちなんで、古いものでは紀元前5~3世紀の中国、新しいものでは19世紀の日本の「虎」をモチーフとした作品が展示されています。古来より虎は悪霊を退ける動物だったそうで、寅年の新年にふさわしい展示です。
 実は今回の目的はもう一つありました。当館が所蔵する長谷川等伯の『松林図屏風』が国宝室で短期間展示されていたのを見てきました。
 静寂さや、その場の空気が漂ってきそうな描写に改めて感動をしました。
博物館に初もうで
北側の庭園は雪が残っていたり、池が凍っていたりしていて、以前に載せた初夏の庭園とは全く異なった冬景色です。
東京国立博物館庭園
いたるところでお正月らしい飾りつけがされていました。
東京国立博物館正門
謹賀新年垂れ幕

篁牛人展~昭和水墨画壇の鬼才~

2022年2月9日

 虎ノ門の大倉集古館で開かれていた「生誕120年記念 篁牛人展~昭和水墨画壇の鬼才~」に行きました。
 本展は富山県出身の篁牛人(たかむ らぎゅうじん)による初期から晩年の作品までをたどる展示です。
 富山県といえば長谷川等伯のゆかりの地であり、「水墨画」を冠した美術館もあるほど水墨画には縁の深い土地です。その富山県が生んだ水墨画家による、独自の画法で大胆に描いた作品を見ることができました。
 生前はなかなか評価されることがなかったようですが、最大の後援者であった医師の森田和夫氏の寄贈作品による「篁牛人記念美術館」が富山市により運営され、近年は評価が高まっているようです。
篁牛人展
 大倉集古館へは2019年9月のリニューアルオープン後、初めて訪れました。周りの高層ビルに負けないくらいの力強さを感じる建物です。
大倉集古館
 

聖徳太子 日出づる処の天子

2022年1月27日

 六本木のサントリー美術館で開かれていた「聖徳太子 日出づる処の天子」展に行ってきました。この展覧会は、聖徳太子の1400年遠忌を記念した特別展で、当館の開館60周年を記念した展覧会でもあります。
 歴史の教科書に書かれている十七条憲法の制定や遣隋使の派遣、仏教の普及に努めた功績は誰もが知るところですが、その聖徳太子を今でも身近に感じるのは、その後の太子信仰が大きな役割を果たしていることが展示を見てよくわかりました。
 太子ゆかりの四天王寺の寺宝や日本全国のお寺や博物館から集められた展示物は見応え十分です。
サントリー美術館 聖徳太子

小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌

2022年1月18日

 東京駅の東京ステーションギャラリーで開かれていた「小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌」に行きました。
 小早川秋聲(しゅうせい)を知ったのは本展が初めてで、大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家の回顧展です。
 仏門から転身した旅好きな画家は、国内外を問わず生涯多くの旅をし、旅先の風景を印象深い作品に残しました。また、従軍画家としての一面もあり、当時の時代の要請に応えて描いた戦争画も展示されていて、これらは静けさとともに緊張感を感じるものでした。
東京ステーションギャラリー 小早川秋聲
 見終わった後はいつも丸の内北口を行き交う人を眺めます。
東京駅丸の内北口

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