生誕150年 板谷波山
2022年8月20日
丸の内の出光美術館で開かれている「生誕150年 板谷波山-時空を超えた新たなる陶芸の世界」展に行ってきました。
これまでも美術館や博物館で展示されている葆光彩磁(ほこうさいじ)という特徴のある作品を通して板谷波山の名前は知っていましたが、このたび、生誕150年を記念するこの回顧展において、その生涯で制作された多数の作品を見ることで、えもいわれぬ形や文様、色彩の美しさ、表現方法の多彩さなど、作者の多くのことを知ることができました。
当館の創設者である出光佐三との親交を物語る作品もあり、たとえば作品『天目茶碗 銘 命乞い』は、とても興味深いエピソードをまとっています。
当館が新型コロナのために通算で約2年間休館していたこともあり、2019年8月の「唐三彩」展以来、約3年ぶりに訪れました。皇居方面の眺望の良さは変わっていません。
自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
2022年8月11日
上野の国立西洋美術館で開かれている「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」に行きました。
今回の展覧会はリニューアルオープン記念として開かれたものです。本展では美術館の成り立ちが個人コレクションという点で西洋美術館と似ているというドイツ・エッセンにあるフォルクヴァング美術館から多数の作品が来日し、当館のコレクションの名品と一緒に展示されています。
展覧会名にあるフリードリヒやリヒターはいずれもドイツの画家ですが、特にドイツロマン主義を代表するフリードリヒの作品は国内で見ることが少なく、貴重な機会でした。
2020年10月のロンドン・ナショナル・ギャラリー展の直後から始まった約1年半のリニューアルでは、外観としては前庭が最も変化しました。開館当時の姿に戻すため、植栽の多くが取り払われ、また、見通しの良いフェンスに取り替えられたことで上野公園との一体感が強くなったように感じます。
光陰礼讃 ― モネからはじまる住友洋画コレクション
2022年8月4日
六本木の泉屋博古館東京で開かれていた「光陰礼讃 ― モネからはじまる住友洋画コレクション」に行きました。
泉屋博古館東京のリニューアルオープンを記念して、第1弾の「日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」に続く第2弾となる本展では、洋画のコレクションが展示されています。
今回は印象派のモネやルノワールから、明治・大正・昭和に活躍した日本画家たちの多彩な作品を見ることができます。
泉屋博古館東京へは、日比谷線の神谷町駅から緑道を通って行くことができます。暑い日でしたが木陰が続いていたおかげで涼しく感じました。
牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児
2022年7月25日
東京ステーションギャラリーで開かれていた「牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児」展に行きました。
展覧会の概要によると、ヨーロッパと日本、20世紀前半と後半といったように、活躍した地域も時代も異なる二人の画家、アンドレ・ボーシャンと藤田龍児が共通して画題に選んだ自然の風景の作品を集めた企画です。
二人がそれぞれ戦争や病といった苦難を経てたどり着いた「癒しの絵画」とも呼ばれる穏やかな作品が展示されていて、懐かしさや安らぎを感じます。
見終えた後は丸の内北口を行き交う人をしばし眺めます。
ボテロ展 ふくよかな魔法
2022年7月18日
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開かれていた「ボテロ展」に行ってきました。
南米コロンビア出身のフェルナンド・ボテロの作品を集めた大規模な展覧会で、日本では26年ぶりだそうです。
ボテロの絵画の特徴は、描かれた人物も、動物も、静物さえもふくよかに膨張していて、その色彩とともに一度見たら忘れがたい印象を与えます。
またヤン・ファン・エイクやルーベンスといった西洋絵画の巨匠たちの名画も、ボテロの手にかかると不思議な変換を経て、オリジナルを残しつつも完全にボテロの世界の作品となり、見飽きることがありません。
ボテロは90歳になった今も制作活動を続けていて、ごく近年の水彩画もまとめて見られます。