国宝 東京国立博物館のすべて
2022年12月11日
上野の東京国立博物館で開かれている「国宝 東京国立博物館のすべて」に行きました。
創立150年の記念展として、当館が所蔵する国宝すべてが見られる機会ということで開催前から話題になっていた展覧会です。
展示品は初めて見るものも多く、新発見の連続でした。また、過去に見たものとの再会もあり、こちらは再発見の連続でした。
なかでも再会してうれしかったのは久隅守景の『納涼図屏風』です。細密な技巧の展示品が多い中にあってホッとします。
晩秋の庭園の様子です。本館の長い影が季節を感じさせます。
当館のキャラクターのモチーフにもなっているユリノキの巨樹がきれいに色付いていました。
響き合う名宝ー曜変・琳派のかがやきー
2022年11月27日
丸の内の静嘉堂文庫美術館で開かれている「響き合う名宝-曜変・琳派のかがやき-」に行きました。
このたび世田谷区岡本の静嘉堂文庫から美術館の機能が丸の内に移転した記念展です。
開館記念ということで、当館所蔵の国宝・重文がそろって展示されていました。茶道具では、『曜変天目(稲葉天目)』や『唐物茄子茶入 付藻茄子』、『唐物茄子茶入 松本(紹鷗)茄子』といったなかなか目にすることができない大名物、琳派では俵屋宗達の『源氏物語関屋澪標図屏風』、その他のジャンルの貴重なコレクションを見ることができました。
今後はコレクションのジャンルや時代ごとの展示が企画されるでしょう。
美術館は、建物自体が重要文化財という重厚な「明治生命館」の中に設けられました。
美をつくし-大阪市立美術館コレクション
2022年11月9日
六本木のサントリー美術館で開かれている「美をつくし-大阪市立美術館コレクション」に行きました。
大阪市立美術館の大規模改修工事に伴う長期休館を機に、その優れたコレクションが貸し出されました。
展示品のジャンルは、古いものでは中国殷時代の青銅器から、新しいものでは昭和初期の日本画まで多岐にわたっており、ゆったりしたスペースでじっくり見ることができました。
展覧会名の「美(み)をつくし」は大阪市章の「澪標(みおつくし)」になぞらえたものだそうです。澪標は古くから航路を示すための標(しるし)として使われ、また、和歌では「身を尽くし」に掛けた言葉として詠まれてきたように雅びを感じます。
日本の中のマネ -出会い、120年のイメージ-
2022年11月1日
練馬区立美術館で開かれている「日本の中のマネ -出会い、120年のイメージ-」に行きました。
解説によると、エデュアール・マネがどのように日本に受け入れられてきたかを考察する展覧会で、日本国内のマネの作品と、マネから影響を受けたとされる日本の画家たちの作品が集められていました。
マネといえば『草上の昼食』や『オランピア』など伝統的な西洋絵画の画題や技法とは異なる表現により「近代絵画の父」と称されていますが、日本においてはほぼ同時代の印象派ほどには受け入れられなかったとされ、展示では、そのマネが当時どのように受け入れられ、その後どのように理解が進んだかをたどることができました。
また、現代芸術家の森村泰昌氏や福田美蘭氏によるマネからインスピレーションを得た作品からは、日本における受け入れの「最先端」を見ることができました。
美術館に隣接する公園では動物の彫刻が出迎えてくれます。
キース・ヴァン・ドンゲン展
2022年10月21日
しばらく前のこと、汐留のパナソニック汐留美術館で開かれている『キース・ヴァン・ドンゲン展 - フォーヴィスムからレザネフォル』に行きました。
オランダで生まれ、20世紀の前半にパリで活躍した画家の展覧会で、その画業の初期からの移り変わりをたどれます。
新印象派、フォーヴィズム(野獣派)、レザネフォル(狂乱の時代)の各時代の優れた作品を見ることができ、なかでも女性を画題とした作品群はとても見ごたえがあって、とくに「女曲馬師(または エドメ・デイヴィス嬢)L’Ecuyère (ou Miss Edmée Davis)」は魅力的でした。