美術館の悪ものたち

美術館の悪ものたち

2023年10月2日

 上野の国立西洋美術館で開かれていた「美術館の悪ものたち」展に行きました。
 先日ご紹介した「スペインのイメージ :版画を通じて写し伝わるすがた」展と同時期に新館2階の版画素描展示室で開かれていた小企画展です。
 会場には当館のコレクションから、制作された時代ごとの「悪ものたち」が登場する作品が選ばれて展示されていました。
 作品の制作年は15世紀から20世紀と幅広く、たとえばアルブレヒト・デューラーの『「黙示録」より、4人の騎士』は、デューラーの版画でも代表作のうちの一つとされている貴重なもので、他にも見るべき作品が並んでいました。
美術館の悪ものたち

スペインのイメージ :版画を通じて写し伝わるすがた

2023年9月28日

 上野の国立西洋美術館で開かれていた「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展に行きました。
 西ヨーロッパの中でもエキゾチックとされてきたスペイン。本展はそのスペインのイメージを形づくってきた版画を集めて展示する企画です。
 会場では17世紀から20世紀までのスペインにまつわる版画を見ることができ、版画という媒体がイメージの伝播に優れているという特長が良くわかりました。
 ゴヤをはじめとする数々の作品は、画集では見ることができても実物を見る機会はなかなかなく、版画を集めた展覧会のありがたみを感じました。
国立西洋美術館スペインのイメージ
スペインのイメージパネル

熊谷守一美術館

2023年9月20日

 豊島区立熊谷守一美術館に行きました。
 5年前に岐阜県中津川市の熊谷守一つけち記念館を訪れた際に当館のことを知って以来、行きたいと思い続けてようやく実現しました。
 昨年92歳で他界した次女で前館長の熊谷榧が記した熊谷守一の年表から展示が始まり、ごく初期の油絵から晩年の作品まで見ることができます。
熊谷守一美術館外壁
熊谷守一美術館入口
 企画展として「熊谷守一最後の10日間展」を見ることができました。写真や熊谷榧が父である熊谷守一の病床の姿を描いた作品が展示してありました。
熊谷守一最後の10日間展

虫めづる日本の人々

2023年9月14日

 六本木のサントリー美術館で開かれている「虫めづる日本の人々」展に行きました。
 日本で古来から大切にされてきた虫のモチーフをテーマにした展示です。この虫とは昆虫に限らず、蜘蛛、蛙、蛇なども含んでいます。
 その虫をモチーフにした江戸時代の絵画や工芸品を通して、虫に親しみ、虫をめでてきた日本、日本人を知ることができます。
 虫の表現の仕方は様々で、とても写実的なものから、デザイン化したもの、中には擬人化したものまであって当時の「虫めづる」を感じるとともに、その感覚が現代まで引き継がれていることにも気付きました。
虫めづる日本の人々

甲斐荘楠音の全貌展

2023年9月1日

 東京駅の東京ステーションギャラリーで開かれていた「甲斐荘楠音の全貌」展に行きました。
 甲斐荘楠音は、大正から昭和にかけて京都で活躍した画家ですが、一度見たら忘れられない作品を数多く残していて、ここ数年は、京都・大阪画壇の再評価や「あやしい」というキーワードのなかで目にする機会が増えていました。
 今回は、画家としての甲斐荘楠音の作品を初期のものからまとめて見ることができたのに加え、映画界への転身後の活躍をたどれる展示で構成されていました。画家としての甲斐荘楠音しか知らなかったので、過去に見たことのある映画の制作にもかかわっていたことを知り、画家のことを今まで以上に身近に感じることができました。
甲斐荘楠音の全貌展
甲斐荘楠音
 見終わったあとは丸の内北口を行き交う人を眺めます。
東京駅丸の内北口

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