楽しい隠遁生活 ―文人たちのマインドフルネス

楽しい隠遁生活 ―文人たちのマインドフルネス

2023年11月16日

 六本木の泉屋博古館東京で開かれていた「楽しい隠遁生活 ―文人たちのマインドフルネス」展に行きました。
 あらゆる情報が大量かつ高速で行き交う現代にあって、しばし俗世を離れて安らぎを取り戻すことはとても大切なことだと思います。
 本展では、隠遁をテーマにした絵画作品が中心に展示されていて、文人たちが憧れた俗世を離れた生き方の絵画表現を味わいました。
楽しい隠遁生活
 泉屋博古館へは日比谷線神谷町駅から緑道のゆるやかな坂を上って向かいます。休日は人通りが少なく静かです。
神谷町緑道

テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ

2023年11月8日

 しばらく前のこと、六本木の国立新美術館で開かれていた「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」へ行きました。
 今回のテート美術館展は「光」をテーマにしています。私どもの「ひかり」です。
 テートが収蔵する18世紀末から現代までのコレクションのうち、「光」をテーマにした作品が来日しました。
 展示構成は、ターナーコンスタブルといった巨匠の作品、日本ではなかなか見る機会のないウィリアム・ブレイクの作品、モネなどの印象派の作品などが一つのグループ、現代作家たちの絵画、写真、彫刻、インスタレーションなど多様な表現の作品がもう一つのグループで、両グループ間をアタマを切り替えながら見ました。脳の中ではそれぞれを見るときに働く部位がたぶん違います。
 テート美術館展ポスター
テート美術館展
 良い天気に恵まれました。
国立新美術館
 今回の出品作を所蔵するテート・ブリテンとテート・モダン。
テート美術館外観
テートモダン外観

恋し、こがれたインドの染織-世界にはばたいた布たち

2023年11月2日

 虎ノ門の大倉集古館で開かれていた「恋し、こがれたインドの染織-世界にはばたいた布たち」展に行きました。大倉集古館へは約1年半ぶりの訪問です。
 木綿を美しく染めることは難しく、17世紀以前にはインドだけがその技術を持っていたそうです。そのインドで18~20世紀にかけて作られた布や、交易によりインドから世界各地へ伝播し、各地で変化を遂げて作られた布を見ることができます。
 いろいろなモチーフでデザインされた当時の繊細な布に感嘆しました。
恋し、こがれたインドの染織
大倉集古館外観

江戸時代の美術─「軽み」の誕生

2023年10月28日

 丸の内の出光美術館で開かれていた『江戸時代の美術─「軽み」の誕生』に行きました。
 展覧会の概要によると、狩野派の地位を盤石にした狩野探幽が後水尾天皇に対して「絵はつまりたるがわろき」と語ったそうで、画面にすべてを書き尽くさず、ゆとりや隙を感じさせるようにすべきというのがその真意とのことです。
 このつまらない(詰まり過ぎない)の価値観が現代まで引き継がれてきていることを感じられる展覧会でした。
軽みの誕生
 皇居方面はあちらこちらで再開発が活発な東京の中で変わらない景色の一つです。
出光美術館からの眺望
 すぐ近くで来年秋まで修繕工事をしている三菱一号館美術館に立ち寄ってみました。足場が組まれ覆いがかかっています。その覆いはロートレックのモチーフです。
三菱一号館美術館前庭1
三菱一号館美術館前庭2
 前庭のバラに癒されます。
前庭のバラ

三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions

2023年10月24日

 しばらく前のこと、千葉市美術館で開かれていた「三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions」展に行きました。
 ここ数年は、千代田区の丸の内仲通りを中心にアート作品を屋外展示する「丸の内ストリートギャラリー」の展示作品として三沢厚彦氏の彫刻作品(青銅に着色)を見ることがありましたが、今回、その原型となる木造彫刻作品を見ることができました。
 クマやゾウ、ヘラジカ、トラといった大型の動物から、ウサギやネコ、リスといった小型の動物まで、樟の彫像に彩色を施した作品が出迎えてくれます。すぐに気づくのは、会場が素材の樟の香りで満ちていることです。記録映像によると、これらは各地の美術館を巡回していて、会場のスペースに合わせていろいろなレイアウトで展示されてきたことがわかります。
 作品のモデルは実在の動物にとどまらず、ギリシャ神話のキメラ(キマイラ)の彫刻もあって目を引きます。
千葉市美術館三沢厚彦展
千葉市美術館

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