壺の碑(つぼのいしぶみ)
2014年4月7日 :税理士ブログ
宮城県の多賀城跡を訪ねました。
多賀城は仙台と塩釜の間に位置し、724年に大和朝廷の政庁が置かれたとされる地です。その後、律令政治の及ぶ範囲が北上し、802年に岩手県の胆沢城へ政庁が移るまで東北における律令政治の中心でした。胆沢城跡へは昨年の秋に訪れたので、時代をさかのぼる旅です。
小高い丘の南面に開けた政庁の遺構は、発掘をへて礎石と土塁が残るのみです。この多賀城跡の見どころの一つが壺の碑であり、今回訪ねた大きな理由です。
この壺の碑については、松尾芭蕉も「おくのほそ道」で、出会いの感動を次のように残しています。
「ここに至りて疑ひなき千歳の記念、今眼前に古人の心を閲す。行脚の一徳、存命の悦び、羈旅の労をわすれて、泪も落つるばかり也。」
碑の由来は割愛しますが、私は碑文にある「去靺鞨国界三千里(靺鞨国界ヲ去ル三千里)」の部分に当時の雄大な国際感覚を感じます。
靺鞨:中国の随唐地代に現在の中国東北地方とロシア沿海州にあった国